デシーカの二つの離れ方

 私の好きな作品はシベールの日曜日 甘い生活 灰とダイヤモンド 1900年 突然の炎のごとくという作品が自分のベスト5なのですが.これらの作品はいずれもヨーロッパ映画で特にイタリア映画が好きです。ルキノ ヴィスコンティ フェデリコ フェリー二の他巨匠と言われる監督が評価が高い作品が多いように思いますがそのなかで少し一般向けと考えられるヴィットリオ デ シーカの作品のひまわり(1970)という作品は単純な内容ながら好きな作品です。

イタリアの名優と言われるマルチェロマストロヤンニ ソフィアローレン共演の作品で運命の過酷さがとても感じられて良いです。二人の演技により哀愁感がとても出ています。恋人同士の二人が兵隊入りを延ばすために結婚をします。それでも離れたくない二人は精神病を装って兵役を拒否しようとするのですが.それがばれて過酷なロシア戦線に送られてしまいます。それからすれ違いが続き愛し合っていて心は繋がっているのに現実は離ればなれになってしまいます。超愛し合っているのに結ばれないところがつらい作品ですが良い作品だと思います。

 


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 唯  私のデシーカの作品で一番好きなのは前でも述べたように自転車泥棒(1948)という作品です。イタリアは日本と同じく敗戦国でその状況下で作られたモノクロ作品でネオレアリズモ(敗戦で荒廃とした社会の再生を目指す過程の問題点を描く)と言われる作品群の1つです。敗戦という混乱のなかで仕事を得るためにどうしても自転車が必要になります。やっとの思いで手にできポスター張りの仕事を得ますが作業の最中に盗まれてしまいます。自転車がなければ妻子を養えないため子供と一緒に町中を探し回りますが見つかりません。そんな中競輪場で偶然おいてあった自転車をのり逃げしてしまいますが しかし自分の場合は簡単につかまってしまいます。警察には相手の慈悲でいかないのですがこの時の子供の父親を見る目を見ると子供との距離感を感じます。二人の心の距離が描けていてとても良いシーンでした。


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