デカダンス   アニメではないですよ

 私は前からイタリア映画が好きだと書いていたのですが.ビットリオ デ シーカ以上の巨匠のルキノ ヴィスコンティについて書いていこうかと思います。

 デビュー作の郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942)という作品は初期のデシーカと同じネオレアリズモ色が強く.社会風刺の作品でしたが.もともとの出身が伯爵という貴族の出身ということもありその問題点を表すような作品に変化していき.上流階級の衰退や凋落(デカダンス)を表現した作品になったのかと思います。まず 作品として好きなのは夏の嵐(1954)でイタリアの伯爵夫人と敵方の青年将校との不倫の話ですが段々と夫人がのめり込んで何もかも失っていく過程が綿密に描かれているところがゾクゾクします。最後は夫人を裏切った将校の破滅という形で終わるのですがそこが唯一の救われる内容で とんでもないひも男の話を格調高く描く撮るとこんなになるという映画です。

 私が一番好きな作品はベニスに死す(1971)という作品で.簡単に言うとベニスを訪れた老作曲家が美青年と出会いその青年に恋をしてしまい破滅してしまうという話なのですが.美青年がとても美してわからないこともないかという要素も加わり クラッシクの名曲を随所に使い酔いしれてしまうような映像で芸術作品にしてしまっています。学生の時はあまりわからなかった美や若さへの執着が今になったらわかる気がしますので年齢を重ねてからみたらある程度分かる作品だと思います。


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