キューブリック 2つのカメラ

 若い時に映画好きになったのは巨匠といわれるスタンリーキューブリック監督の作品を見た衝撃が大きかったことです 2001年宇宙の旅の評価がオールタイムベスト1になるほどの凄い監督なのですが完璧主義者ということもあり公開した映画は少ない監督です。カメラマン出身の監督ということもあり特殊なカメラワークで惹きつける映像を撮る人です。全ての映画の撮影は凄いのですがその中で2作品を見ていこうと思います。先ず バリーリンドン(1975)という作品で.18世紀の話でキューブリックのはじめての時代物です。バリーという貧しい農家の青年がその容貌を武器に次々と策略を使ってのし上がっていき最後は破滅するという映画で.電気がない時代ですから普通は明かりを足して撮影をするところですが.NASAの月面着陸撮影用カメラ(F0.7レンズ)とモーター駆動のズームレンズカメラを使いできる限り当時の雰囲気に近づける映像を作っています。


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 次にあげたいのはホラー映画の傑作と言われるシャイニング(1980)という作品で有名な作品ですのでご存じの方も多い作品だと思いますが.私はキューブリックの中ではもう一つの作品だと思っています。内容としては広大なホテルのなか 冬場の閉鎖された空間での閉所恐怖症的なものに実際にいると思われる霊に取りつかれてしまうという要素が加わって精神がおかしくなった主人公が次々に家族を殺害しようとする作品です。前にもあったらしいのですがステディカムというカメラを本格的に使って恐怖感を盛り上げています。簡単に言うと出前の時に使う道具のようなもので.態勢がくずれてもぶれない撮影機器ですが.それをジャックニコルソンが息子を殺そうとする重要な場面でとても効果的に使っておりリアル感が良く出ていると思います。作品としてイマイチだといったのはキューブリック作品の中ではという意味でそこら辺のホラー作品よりかは遥かに素晴らしいとは思います。


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