デルス ウザーラ           最初で最後の海外作品でした 

 デルス ウザーラ(1975)は黒澤 明監督が当時のソ連からのオファーを受けて現地で撮影した純然たるソビエト映画なのですが.黒澤 明といえばだれもが知る世界の巨匠のためハリウッドからのオファーもあったのですが.彼独特の映画のこだわりもあり実現しませんでしたが.唯一の海外作品がその年のアカデミー外国語映画賞を取った事は彼の実力を証明するものだと思いました。内容としてはロシア人探検家と現地の猟師デルス ウザーラの交流を描いたもので大自然の中で苦闘する探検家を何度となく助けて堅い友情で結ばれていく姿を壮大に描いているところは感動的だったと思いました。只 高齢のデルスを心配して自宅に連れて帰ってしまったことは探検家の優しさなのですが結局は都会になじめないデルスにとっては苦痛になってしまったのです。黒澤 明は30年以上前からこの原作を映画化したかったらしいのですが.唯一の作品がこのクオリティならハリウッドで撮れなかったことは残念に感じます。


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 黒澤 明のハリウッド作品というのは無いのですが.世界中の有名な映画人(ジョージ ルーカス ティーブン スピルバーグなど)から尊敬されていた人物のため製作費が日本の映画会社だけでは出せないような作品も撮れる状況もあったために影武者(1980)のような日米合作の作品や(1985)のような日仏合作作品などの時代劇を撮ってはいますが.唯 トラ トラ トラ(ハリウッドからオファーがあったのですが条件が合わなかった)のような戦争物も見たかった気がします。


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