ゴジラVSビオランテ             シン ゴジラやゴジラ−01の評価の高さでこの監督のことを忘れそうになっていました

 BS放送で平成ゴジラシリーズを連続して放映していたので.第一弾ゴジラVSビオランテの脚本 監督を手掛けた大森一樹監督のことを思い出しました。最初に評価されたヒポクラテスたち(1980)という作品は自分が学んでいた京都府立医科大学の実体験を基にした映画で医大生を決して優等生にはせずに勉強ができてたまたま社会的評価の高い医者になろうとしている男女をコメディタッチも含めて描いているものでした。この当時大森監督は30歳手前の時期でまだ医師国家試験を目指して勉強していたころなのですが.この映画でキネマ旬報ベストテンの3位に選ばれ一躍評価されたようにも思うのですが、この映画の前にもいくつか映画を撮っており医師を目指していたのに余程映画が好きだったのかなあと思っていました。医大で勉強しながら16ミリフィルムの映画を撮ったり自ら映画の脚本を書いたり本当に優秀な人(外国の映画にも詳しく自身の作品の中に他国の有名作品のパロディなどをうまく入れている)だと思うのですが.撮っているのは割合分かり易い娯楽映画が多い気がします。私が彼の作品で好きな作品は恋する女たち(1986)という作品で斉藤由貴主演の青春映画でした。この映画までは男性主体の映画が多かったために女友達3人の恋愛と失恋をコメディタッチも加えて生き生きと描いているこの作品は彼の才能の豊富さを感じた作品でした。

 


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 90年代以後は私のあまり好きではないジャンルのため殆ど作品を見る機会が無くなりました。そんななか監督として脂の乗りきっていた70歳で白血病で亡くなったとのニュースに触れた際にあまり作品を見ていなかったのですが少しショックを受けました。大学教授をしていたこともその時知り彼の才能の豊富さも改めて認識もしました。そんな彼と同年代の滝田洋二郎という監督はドライブ・マイ・カーアカデミー外国映画賞を取ったために前回の受賞作品である滝田作品のおくりびと(2008)が注目されている人物ですが.私はおくりびとに関しての評価は外国人が日本特有の儀式的なものに対しての興味の産物のようにも思いますが・・・こんな二人が少し違うと思うのは滝田監督は商業映画路線ばかりでなくうまく多ジャンルの作品を作っていたと思いますが、大森監督は娯楽路線に偏り過ぎたのかと感じています。


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