フルメタル ジャケット          戦場をスタジオで撮影するとはキューブリックらしいと思いました

  スタンリー キューブリック2001年宇宙の旅(1968)の評価がオールタイムベスト1になるほどの凄い監督なのですが完璧主義者ということもあり公開した映画は少ない監督です。カメラマン出身の監督ということもあり特殊なカメラワークで惹きつける映像を撮る人で私が映画を大量に見るきっかけにもなった監督でもあります。キューブリックフルメタル ジャケット(1987)は彼のベトナム戦争をテーマにした作品ですが.彼の特徴とも言える無国籍性が見られる戦争映画で戦争そのものの愚かさを描いた作品になっているように思います。構成としては2部構成のような形を取っている内容で最初は海兵隊訓練所での厳し訓練が描かれておりその中で徐々に精神がおかしくなり最後は教官を殺害してしまう青年兵が描かれています。その後場面がが変わってベトナムでの市街戦の場面になるのですが.先程のような厳しい訓練を日常的受けてきた兵士が今度は市街戦の中で一人の少女に次々殺害されていく非合理的な場面を描いていることは当時お気楽なアメリカ戦争映画を見慣れた私にとっては惹かれた内容になっていたと思います。


www.youtube.com

 アメリカが初めて他国に対して敗北した戦争があったためにアメリカ中心の連合国圧勝のような作品が多かった路線が変わったように思います。その路線を決定づけたのが私の外国映画のベストテンに今も入っているディア ハンターマイケル チミノ監督 1979)だったように思いますが.こちらは捕虜になったアメリカ兵のロシアンルーレットの場面が有名だった映画だったように思います。このような臨場感たっぷりの演出で見せるといった戦争映画が一般的であるためキューブリックの描き方が新鮮に感じました。

 


www.youtube.com