フランソワ トリフォー        最近リメイク作を見てオリジナルの良さを感じました

 最近華氏451(ラミ バーラニ監督 2018)という作品を見たのですがこの作品は極度に機械化され情報化されている世界を描いている映画です。その中で人間に思考をさせコントロールさせる書籍を読むことを禁じられた世界を描いたものですがリメイク作のほうはSF作品ぽい作品でしたがフランソワ トリフォー華氏451(1966)は私自身はフランスでトップの演出力を持っていると思っている監督ですのでSF作品ながら派手な撮影や特殊効果などを用いずにその非人間化された社会をうまく描いていて、それに抵抗していく主人公たちの姿を描いておりその静けさがとても怖い未来社会を描いている作品だと感じたことを思い出しました。もともとの原作は有名なレイ ブラッドベリのSF作品でもっと興行的な作品を撮った方が良いと思うのですが芸術作品にしてしまうのはさすがトリフォーだと思います。


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 私が何故フランソワトリフォーがフランスのトップクラスの監督だと思うのかは彼の突然炎のごとく(1961)を見てアメリカ映画などのハッピーエンディングなものを見慣れているときに衝撃を受けたからです。さらにその後すぐに発表された柔らかい肌など後を引きずるような作品を立て続けに見て彼の良さを感じたからもあります。その後も何作かを作ったのですが私自身が後期の代表作と思うのは隣の女(1981)で昔の恋人が偶然隣に引っ越ししたことから起こる悲劇を描いたものでしたが突然炎のごとく以来の傑作だと思ったものでした。彼はスピルバーグ未知との遭遇などにも俳優として出演しているように新しい事に挑戦したり尊敬しているヒッチコックの演出を取り入れたりしている革新的なところにも私は魅力を感じています。


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