アメリカがベトナムに介入して起こったベトナム戦争がアメリカが歴史上最初に負けた戦争なのですが.先ずその作品を何度となく挙げてきたスタンリー キューブリックのフルメタル ジャケット(1987)は彼のベトナム戦争をテーマにした作品でした。彼の特徴とも言える無国籍性が見られる戦争映画で戦争そのものの愚かさを描いた作品になっているように思いますが舞台はベトナムです。構成としては2部構成のような形を取っている内容で最初は海兵隊訓練所での厳し訓練が描かれておりその中で徐々に精神がおかしくなり最後は教官を殺害してしまう青年兵が描かれています。その後場面がが変わってベトナムでの市街戦の場面になるのですが.先程のような厳しい訓練を日常的受けてきた兵士が今度は市街戦の中で一人の少女に次々殺害されていく非合理的な場面を描いていることは当時お気楽なアメリカ戦争映画を見慣れた私にとっては惹かれた内容になっていたと思います。
次に挙げたいのが私の今まで見てきた全ての作品の中でのベストテンに入るマイケル チミノ監督のディアハンター(1978)は私の中では全ての戦争映画の中で最高傑作だと思います。他に好きな作品として追加として挙げたいのが戦争シーンなどは全く描かれては無いのですが.戦争の狂気を表しているタクシードライバー(1976 マーチンスコセッシ監督)です。数々の賞を取っているロバートデニーロの出世作でとても有名な作品のため内容はご存じの方も多いと思いますので省きますが.人間性の破壊を見事に描いていると思います。ロバートデニーロの大統領候補暗殺未遂シーンやジョデイフォスターを救出するため悪のアジトに乗り込むシーンはディアハンターのロシアンルーレットのシーン程の衝撃を受けました。戦争による人格破壊を見事に描いていると思います。