チャイナシャドー             尾崎 豊も影響を受けた監督です 柳町光男

 柳町 光男はあまり興行的な映画を撮る監督で無かったこともあり洋画をよく見ていたこともありあまり知らなかったのですがベルナルド・ベルトルッチラストエンペラーの主役をしてとても人気のあったジョン ローンの出演した作品だったことに興味が湧き見た映画がチャイナシャドー(1990)という映画でした。毛沢東死後の混沌とした中国から香港に移ってきて成功した青年実業家(ジョン ローン)の苦悩などをサスペンスタッチで描いているものでしたが.共演の佐藤浩市も含めて一番カッコ良い時代だと思っていますので今残っている印象は二人のビジュアルの良さです。柳町光男監督に興味を持ったために次に見たのがさらば愛しき大地(1982)という作品で彼の作品の中で一番好きな作品です。主演の根津甚八の出ている映画では最高傑作だと思っているのですが.内容としては二人の子供を水難事故で亡くした父親がその喪失感から覚せい剤に走ってどんどん人間性を無くして破滅に進んで行くものでとても暗い作品で救いようが無いものでしたが共演の秋吉久美子の熱演もありとても印象に残っています。


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 柳町光男監督に興味をもったために彼の長編デビュー作の十九歳の地図(1979)を見たのですがこれも暗いもので新聞配達をしている予備校生が気に食わない家の地図に✖をつけていたずら電話をして欲求を満足させるものでしたが最初の方はこんな映画ばかり撮っていた監督なのかと当時思っていました。余談ですがこの作品を気に入って尾崎豊十七歳の地図という曲を作ったという話を聞いたことがあります。


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ロブ ロウ                スキャンダルの後役柄を変えて良かったと思います

 ロブ ロウといえば最近はアメリカのテレビドラマで主に活躍しているためにあまりビッグなイメージが無い俳優という感覚があるのですが.デビュー当時はフランスの有名俳優のアラン ドロンに似た感じのするイケメン俳優でした。アウトサイダーフランシス フォード コッポラ監督 1983)という若手の有名俳優(C トーマス ハウエル トム・クルーズ ラルフ マッチオ ダイアン レイン)などをを輩出した映画に出演してそのなかでも1つ抜き出た魅力でブレイクして爽やか青年役を演じてはトップクラスだったと思います。彼はその後何本かの重要な役で出演してマスカレード 甘い罠ボブ スウェイム監督 1987)という作品でイケメンでありながらお金の為なら殺人も辞さない冷酷な役を演じて若手の中ではトップに躍り出たと思いました。その後彼は未成年者と不適切な関係を結んだスキャンダルにより俳優として終わった(日本でもこの種のスキャンダルはあるのですがアメリカの場合はより厳しい為)と言われて映画界の第一線から逸脱していったと思います。


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 彼はスキャンダルの後は以前程の重要な役は回ってこなくなったのですが.やはり若手の時の知名度は高く 映画ではなくテレビドラマの俳優としては十分通用しており1999年から始まったザ ホワイトハウス(シーズン7まで続き テレビ界の最高の賞であるエミー賞を最多受賞しています)という番組で重要な役を演じています。現在60歳前であるため長く俳優を続けるためにかえって良かったのかも知れません。


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ヒポクラテスたち              怪獣映画で有名ですが医師免許を持っている監督です

 ヒポクラテスたち(1980)という映画は大森一樹監督が自分が学んでいた京都府立医科大学の実体験を基にした映画で医大生を決して優等生にはせずに勉強ができてたまたま社会的評価の高い医者になろうとしている男女をコメディタッチも含めて描いているものでした。この当時大森監督は30歳手前の時期でまだ医師国家試験を目指して勉強していたころなのですが.この映画でキネマ旬報ベストテンの3位に選ばれ一躍評価されたようにも思うのですがこの映画の前にもいくつか映画を撮っており医師を目指していたのに余程映画が好きだったのかなあと思っていました。医大で勉強しながら16ミリフィルムの映画を撮ったり自ら映画の脚本を書いたり本当に優秀な人(外国の映画にも詳しく自身の作品の中に他国の有名作品のパロディなどをうまく入れている)だと思うのですが.撮っているのは割合分かり易い娯楽映画が多い気がします。私が彼の作品で好きな作品は恋する女たち(1986)という作品で斉藤由貴主演の青春映画でした。この映画までは男性主体の映画が多かったために女友達3人の恋愛と失恋をコメディタッチも加えて生き生きと描いているこの作品は彼の才能の豊富さを感じた作品でした。


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 斉藤由貴主演の映画をいくつか撮った後に作ったのがゴジラビオランテ(1989)といういわゆる平成ゴジラシリーズの第一弾でした。ここでは脚本も手掛けいままで登場していなかった怪獣をさせることに成功させます。東宝が彼の娯楽映画を撮る才能を評価してなのかと当時思いました。


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ジュリ― アンドリュース          最初はヘップバーンに負けていたのですが 

 ジュリ― アンドリュースは現在も声優として活躍している大女優だと思うのですが最初は舞台での活躍していたにもかかわらず大役に選ばれなかったことは不本意だったと思います。オードリー ヘップバーン主演のマイフェアレディジョージ キューカー監督 1964)という作品なのですが私もこの作品についてはヘップバーンの魅力がとてもでており彼女の映画の中ではベスト5に入る作品だと思っているのですが.もしこの作品をアンドリュースが演じていたらと思うことはありました。ヘップバーンは歌唱力がないためミュージカル女優のアンドリュースの方がヘプバーンのような吹替でないため良かったかも知れません。 只 その時はアンドリュースは知名度により主役を外されましたがメリーポピンズロバート スティーブンソン監督 1964)というディズニー作品に出会いその年のアカデミー主演女優賞を受賞したことによりイギリスでの活動がメインから飛躍し.ハリウッドでの活躍できる地盤が出来ました。
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 次の作品は私は以前のブログにも挙げているのですが突然唄いだしたりするミュージカル映画というのはあまり好きなジャンルではないのですが.ロバート ワイズ監督の2作品だけは別格の作品だと思っています。エストサイド物語(1961)とサウンドオブミュージック(1965)なのですがサウンドオブミュージックでの主演女優としてのアンドリュースは本当に良い演技をしており映画の成功に貢献していると思います。


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ゲイリー オールドマン           普通でない役ばかり演じている印象があります

 ゲイリー オールドマンという俳優はロバートデニーのように映画ごとに色々な役を演じている印象があるのですが.デニーロアプローチという言葉があるようにデニーロは役に近づけて体形などを変化せているという感じであるのに対してオールドマンは彼の持っている普通でない雰囲気が映画に出たときに強調されているように思います。私が彼の映画を最初に見たのがドラキュラフランシス フォード コッポラ監督 1992)という作品でコッポラ監督がホラー作品を撮った事と豪華なキャスティング(キアヌ リーブス ウィノナ・ライダー等)に興味が湧き見に行ったのですが彼は映画の中でドラキュラ役を演じていたのですがそれまでも映画には出ていたのですが見たことは無かったのでその普通でない雰囲気に引き込まれました。前年のJFKオリバー ストーン監督 1991)の中でケネディ狙撃犯のオズワルド役で出ていたので起用したと思うのですが吸血鬼役という普通でない役にコッポラはうまく起用したなと思いました。


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 彼の作品はその後も注目しており有名監督の話題作(ハンニバルダークナイトシリーズ等)に出ていたのはほぼ全て見ているのですが.私が一番好きな作品はナタリーポートマンのブログの時に挙げていたレオンリュック ベッソン監督 )の中で悪徳刑事役を演じており主人公の殺し屋役のジャン レノ以上のアクの強さを見せており殺し屋が良い存在に見える程の存在感を出していたと思います。


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シドニー ポラック          俳優としても有名ですが監督としても凄いと思います

 シドニー ポラックは元々は俳優としてデビューしている人物でスタンリー キューブリックアイズ ワイド シャット(1999)などで重要な役で出演しており俳優としてとても有能な方なのですが.それに加えて監督としてもすぐれた作品を撮った人物です。監督として最初に強烈な印象があるのが初期の作品のひとりぼっちの青春(1969)という作品でした。世界恐慌の時代に実際にあったらしいのですがラソンダンスという競技(男女ペアの1000時間を超える耐久ダンスで優勝すれば多額の賞金が手に入るもの)を描いているもので.人生に失敗した主人公の男女が何とか最後まで耐え抜いて賞金を手にいれるのですが結局は資産家の主催者に経費を引かれ何も残らないことがわかり完全に絶望した女性の方が少し恋愛感情も湧いてきた男性に殺害を依頼するという悲劇的な最期の暗い作品なのですがとても印象に残っている作品です。
www.youtube.com  ポラックの作品としてはは以前のロバート レッド フォードのブログで挙げた追憶(1972)やジェシカ ラングの時にあげたトッツィー(1982)など好きな作品としてはいろいろあるのですが.彼の作品として最高だと思う作品はアカデミー賞で7部門を受賞した愛と哀しみの果て(1985)という作品で上流社会の生活が嫌になった女性がアフリカの大自然のなかで強く生きていくといった内容なのですが.ロバート レッド フォードとメリル ストリープという名優の共演で見応えのある作品になっていたと思います。


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ハリーとトント            ニャンコが出てくる映画ですが日本の名作がヒントになっています

 私はワンちゃんが好きでワンちゃんの映画のことよく書いていると思いますが.猫が出てくる日本の映画では人間と猫の関係性があまりうまく描かれているものが無いように思うからです。外国ではハリーとトントポール マザースキー監督 1974)という作品がとても猫が出てくる映画では好印象のある作品です。見るきっかけになったのは私がアメリカの作品ではベスト3に入ると思っているゴッドファーザーPARTⅡフランシス フォード コッポラ監督)を押さえて多くの批評でベストワン作品と言われていたためです。内容としては70歳過ぎの退官した教師の老人とそのペットのトントという猫が娘や息子を訪ねてバス旅行をするものでしたが結局はどこにも落ち着けるところは無くその間に愛猫のトントも失ってしまうのですがそれを乗り越えて再生していくといったものでした。
www.youtube.comハリーとトントは東京物語小津 安二郎監督 1953)という作品(世界映画のベストワンになったこともある作品)にヒントを得た作品でこちらは人間と猫ではなく夫婦という設定でした。東京に出てきた夫婦が実の息子や娘には厄介者扱いされ唯一戦死した次男の嫁にだけ優しくしてもらえるというものでした。妻が旅の途中で体調を崩し田舎にに帰ってまも亡くなるというものでしたがハリーとトントの場合は猫が死んだあと老人は再生するのですが本家の方は妻の葬儀に際しても実の子供には冷たくされるといったものになっており救いようの無い内容で暗いものですが余韻を残すものになっています。


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