アルベール ラモリス            こんな旅行なら気にしなくても行けると思います

 アルベール ラモリスという監督の作品を最初に見たのは30分強の赤い風船(1956)という短編映画です。確か小学校の時の教材か何かで見たと思うのですがその時は風船がまるで生きているような動きをする変わった作品でしたが子供ながら何かとても幸せな気分になる作品だと感じました。浮遊感覚の素晴らしい映像で彼ほど飛ぶことの心地良さを描ける監督はいないのではないかと思いました。他にも短編の作品として白い馬(1953)という少年と野生の馬との触れ合いを描いた美しい作品を撮られた後 長編作品にも望まれたという感じかと思います。(この2作品はともにカンヌ映画祭で短編のグランプリを取り私が彼の作品で一番好きな赤い風船では米国のアカデミー脚本賞まで取っています。)


www.youtube.com

 白い馬や赤い風船といった短編を経て作られた初の長編映画素晴らしい風船旅行(1960)という作品で内容としては大空を自由に散策できる気球を開発した老科学者がパリを出発するのですがそこに空飛びたさに同乗してきた孫と空高く舞い上がる気球で冒険旅行をしていくというものでした。  監督自身がこの映画の空中撮影用に開発した“ヘリヴィジョン”によって撮影された機器の撮影により美しさに満ち溢れており自然の景観も圧倒的に素晴らしい映像で、何でもない街の風景などもとても美しくれ気分の良いものになっていたと思います。只 皮肉なことに浮遊物の撮影に長けた監督は48歳の若さでヘリコプターの落下という事故で亡くなっています。もっと長編映画を見たかったので残念に思います。


www.youtube.com