ヘルムート バーガー      最近亡くなったのですがヴィスコンティの印象が強い俳優でした

 ヘルムート バーガーという俳優が亡くなれたのですが.彼が亡くなって最初に思い浮かんだのが後期のヴィスコンティの作品でした。ルキノ ヴィスコンティといえば私が好きなジャンルであるイタリア映画の巨匠でフェデリコ フェリーニと並ぶような人物です。

 彼のデビュー作は郵配達は二度ベルを鳴らす(1942)という作品で初期のヴィットリオ デ シーカひまわりなどが有名な監督)と同じネオレアリズモ色が強く.社会風刺の作品でしたが.もともとの出身が伯爵という貴族の出身ということもありその問題点を表すような作品に変化していき.上流階級の衰退や凋落(デカダンス)を表現した作品になったのかと思います。まず 作品として好きなのは夏の嵐(1954)でイタリアの伯爵夫人と敵方の青年将校との不倫の話ですが段々と夫人がのめり込んで何もかも失っていく過程が綿密に描かれているところがゾクゾクします。最後は夫人を裏切った将校の破滅という形で終わるのですがそこが唯一の救われる内容で とんでもないひも男の話を格調高く描く撮るとこんなになるという映画でした。


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 彼の後期の作品で私がベストだと思う作品はベニスに死す(1971)という作品でベニスに静養のために訪れた老作曲家が美青年の魅力に溺れていく話なのですが.ヴィスコンティの後期の作風がとてもよく表れています。

 亡くなったヘルムート バーガーの出演作は何作かあるのですが家族の肖像(1974)で主人公に対する癖のある若者役として出演しているのですが.彼の最高の作品だと私は思います。


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